「カニの福井」だけじゃない。6月の越前海岸が、本気で旨い4つの魚たち。

「カニの福井」だけじゃない。6月の越前海岸が、本気で旨い4つの魚たち。
波

「越前といえばカニ」――。

そう聞いて思い浮かべるのは、雪の舞う冬の日本海と、湯気の立つ越前がにの姿ではないでしょうか。

たしかに越前がには、福井が誇る冬の味覚の王様。けれど、それは越前海岸の「ほんの一面」にすぎません。

実は越前海岸には、6月から夏にかけて旬を迎える、知られざる絶品の魚たちが数多くあります。今回は、地元の海と暮らす私たちだからこそ語れる、「初夏の越前で食べてほしい魚介類」をご紹介します。

剣先イカ ― 透き通る身が物語る、初夏の海の透明感

6月、越前の海で漁獲量を増やすのが「剣先イカ」。

別名「夏イカ」とも呼ばれるとおり、5月下旬から夏にかけてが最盛期です。

特徴は、なんといっても身の透明感。獲れたてを刺身にすると、コリッとした歯ごたえと、噛むほどに広がる甘みに驚かされます。スルメイカと比較すると身がやわらかく、上品な甘さがあるのが剣先イカ。「イカは冬」と思っていた方こそ、初夏の剣先イカを一度味わってほしい逸品です。

ちなみに「ヤリイカとどう違うの?」と聞かれることがあります。見た目は似ていますが、実は明確な違いがあるんです。違いはこちらです。

特徴ヤリイカ(春の使者)ケンサキイカ(夏の女王)
旬の時期冬〜春(1月〜4月頃)夏〜秋(6月〜10月頃)
見た目腕が短く、全体的にシュッと細長い。腕が長く、胴がやや太めで肉厚。
味わい上品で淡白な甘み。濃厚で非常に強い甘み。
食感コリコリとした小気味よい歯ごたえ。もっちりとして柔らかく、粘りがある。

※関連記事【3月の越前海岸で獲れる「ヤリイカ」の楽しみ方。

甘エビ ― 産卵期前の身に、最高の旨みが凝縮される

「甘エビ」は通年市場に出回りますが、本当に美味しい時期はごく限られています。それが、産卵期を迎える初夏。

5月下旬から6月にかけて、越前海岸で水揚げされる甘エビは、卵を抱える前にエネルギーを蓄えるため、身に旨みがぎゅっと詰まります。

刺身でとろけるような甘さを楽しんだあとは、頭を味噌汁にしたり、唐揚げにすれば二度楽しめるのが甘エビの魅力。お椀に入れた瞬間に立ちのぼる磯の香りは、越前ならではのごちそうです。

※関連記事【福井の甘えびが全国トップクラスで美味しい理由

夏ヒラメ ― 「冬ヒラメ」とはまた違う、軽やかな脂のり

ヒラメも「冬の魚」の代表格と思われがちですが、実は越前海岸では夏ヒラメも知る人ぞ知る逸品です。

冬の脂のりが「濃厚な甘み」だとすれば、初夏のヒラメは「軽やかな旨み」。涼しさを感じる薄造りは、冷酒との相性が抜群です。

夏のヒラメは身が引き締まっており、エンガワのコリコリした食感も格別。地元では「夏のヒラメは香りで食べる」と言われるほどの繊細な味わいを、ぜひ一度ご堪能ください。

サザエ ― 梅雨明け前後、磯の香りが最も強くなる季節

最後にご紹介するのは「サザエ」。

6月から7月にかけて、越前海岸の岩場で旬を迎えます。

梅雨明け前後のサザエは、身がふっくらとしており、磯の香りも最も濃厚になる時期。香ばしく焼いた壺焼きは、「夏の越前で食べたいもの」として地元民にも愛され続けるごちそうです。

シンプルに醤油を一たらしして、グツグツと音を立てる壺焼き。これを海風の吹く夕暮れに食べる時間こそ、越前海岸の夏の醍醐味です。




「越前=かに」の先にある、もう一つの越前海岸

冬の越前がにはもちろん格別ですが、6月の越前海岸には、それと並ぶほどの豊かな魚たちが息づいています。

剣先イカの透明感。甘エビのうまみ。夏ヒラメの繊細さ。サザエの磯の香り。

どれも、日本海の潮と越前の漁師たちの腕があってこそ味わえる初夏の恵みです。

「カニの季節までは越前から離れていた」という方こそ、ぜひこの6月、越前海岸の魚たちに会いにきてください。

また、福井駅前にある【越前がに・旬のお料理 らでん】では、かにだけでなく、その時期ごとの越前海岸の海の幸を提供しております。ぜひ、ご来店ください。



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