その名の通り、「味」で勝負する魚。5月から旬を迎える「アジ」が、なぜ初夏に最もうまいのか。

その名の通り、「味」で勝負する魚。5月から旬を迎える「アジ」が、なぜ初夏に最もうまいのか。
波

5月に入ると、越前の魚市場に活気が戻ってきます。かにのシーズンが終わり、春の魚たちがひと段落する頃、仲買人たちが目を細めて競りに臨む魚がいます。

「アジが出てきたか。今年はいいな」。

そのひとことが、初夏の到来を告げる合図です。アジは「味」が語源になったとも言われるほど、古くから日本人に愛されてきた魚です。

しかし、スーパーで一年中見かけるからこそ、その「旬」を意識している人は少ないかもしれません。今回は、5月から旬を迎えるアジの魅力を、越前の海から丁寧にご紹介します。

なぜ初夏のアジは脂が乗るのか。産卵前の身に宿る、濃厚な旨み。

アジが最もうまくなるのは、産卵期を迎える直前の5月〜7月です。この時期のアジは、産卵に備えて栄養を蓄えており、身に脂がたっぷりと乗っています。

冬から春にかけて水温が上がり始めると、アジは餌となるプランクトンや小魚を旺盛に食べます。この時期に蓄えた脂は、単なる「脂っぽさ」ではなく、甘みと旨みを伴った上質なものです。箸でほぐした瞬間に香る、あの独特の磯の甘い香りは、初夏のアジにしかない贅沢です。

越前の海では、対馬暖流が運ぶ豊富なプランクトンをたっぷり食べて育ったアジが水揚げされます。同じアジでも、餌と海域によって味が大きく変わるのが面白いところで、越前産のアジは身の締まりと脂のバランスに定評があります。

【豆知識:一年中売っているアジ、旬はいつ?】

実はアジには産地・漁法によって旬が異なる「養殖もの」と「天然もの」があります。

種類旬の時期特徴
天然アジ(初夏)5月〜7月脂が乗り、旨みが濃厚
天然アジ(秋)9月〜10月さっぱりとして上品な味
養殖アジ通年安定した品質・サイズ

スーパーで年間を通じて並ぶアジの多くは養殖もの。越前の漁港から届く5月の天然アジは、その対極にある「旬の本物の味」です。

アジの美味しさを最大限に引き出す、越前流の食べ方。

アジの食べ方として、福井の家庭で最もポピュラーなのが「なめろう」と「たたき」です。

【なめろう】

新鮮なアジを細かく刻み、味噌・生姜・ネギと合わせて叩いた郷土料理です。アジの旨みと味噌の風味が混ざり合い、熱々のご飯との相性は抜群。これは漁師が船の上で作ったのが起源とも言われる、日本の食文化が詰まった一皿です。

【刺身・たたき】

獲れたての新鮮なアジは、やはり刺身で味わうのが一番です。薄く引いた身を生姜醤油でいただくと、脂の甘みがじんわりと広がります。表面を軽く炙った「たたき」にすると、香ばしさが加わりさらに奥行きのある味わいになります。

塩焼き・南蛮漬け・干物。毎日食べたくなる、アジの懐の深さ。

アジが長年、日本の食卓に愛され続けてきた理由のひとつが、その料理の幅広さです。

【塩焼き】

シンプルに塩を振って焼くだけで、皮はパリッと、身はしっとりと仕上がります。大根おろしと醤油を添えれば、それだけで食事が完結する、日本の食卓の定番です。

【南蛮漬け】

揚げたアジを甘酢と野菜で漬け込む南蛮漬けは、作り置きにも最適です。時間が経つほどに味が染みて、翌日はさらに美味しくなります。

【干物】

塩と潮風で旨みが凝縮された干物は、ふっくらとした身と香ばしい皮が魅力。一夜干しにすることで、生のアジとはまた違う深い味わいが生まれます。


「アジなんて、いつでも食べられる魚でしょ」。そう思っていた方に、ぜひ一度、5月の越前産天然アジを試していただきたいのです。

名前の通り、「味」で語る魚。旬の時期に、正しい産地のものを食べたとき、その言葉の意味が体でわかります。初夏の食卓に、越前の海の恵みをぜひどうぞ。

▽田村屋のYouTubeはこちら▽

酒のプロが本気で選ぶ!福井駅で買うべき最強の冷凍おつまみ3選【越前田村屋】

▽田村屋の楽天ページはこちら▽

https://www.rakuten.co.jp/echizengani