福井の冬といえば、なんといっても「越前がに」ですよね。 王道の美味しさはもちろんですが、実は福井の海には、カニの陰に隠れながらも「地元民がこよなく愛する」もうひとつの主役がいることをご存知でしょうか?
その名は「ガサエビ」※地域によっては「ガスエビ」や「クロザコエビ」とも呼ばれます
「え?聞いたことがな…」 「スーパーで見かけたけど、茶色くてちょっと地味…」
そう思われた方こそ、ぜひこの記事を読んでみてください。 今日は、見た目はちょっと悪いけれど、味は甘エビを超える!?とも言われる幻の海老「ガサエビ」の魅力について、お伝えします。
「幻の海老」と呼ばれる理由とは?
ガサエビは、日本海側の深海に生息する海老です。 見た目は茶色っぽくて、殻も少しゴツゴツ・ガサガサしています。「ガサエビ」という名前の由来も、この見た目から来ていると言われています(諸説あります)。
鮮やかな赤色の甘エビと並ぶと、どうしても見劣りしてしまうこの海老……
しかし、なぜ「幻」と呼ばれるのでしょうか?
その最大の理由は【鮮度が落ちるのが極端に早い】から。
ガサエビは水揚げされるとすぐに色が変わり、鮮度が落ちて黒くなりやすいデリケートな海老です。 そのため、昔は冷蔵技術や輸送手段が発達していなかったため、「獲れた港の近くでしか食べられない」という、まさに地元漁師だけの特権的なグルメでした。
東京や大阪の市場にはほとんど出回らなかったため、知る人ぞ知る「幻の海老」となったのです。

甘エビ vs ガサエビ!味の違いは?
福井県は甘エビ(ホッコクアカエビ)も有名ですが、この2つ、味のタイプが全く違います。
・甘エビ:プリッとした食感と、上品でスッキリとした甘み。
・ガサエビ:むっちり・ねっとりとした食感と、濃厚な甘みと旨味。
私の個人的な感想ですが、「甘さのインパクト」だけで言えば、ガサエビの方が上だと感じることさえあります。 口に入れた瞬間に広がる独特のコクは、一度食べるとクセになります。
食べられる時期はいつ?
ガサエビは、カニと同じ「底引き網漁」で水揚げされます。そのため、食べられる時期も漁の期間に限られます。
・漁の解禁期間:9月〜6月
・禁漁期間(食べられない時期):7月・8月
9月の解禁から春先まで長く楽しめますが、特に海水温が下がる冬から春にかけて(11月〜3月頃)は身が引き締まり、甘みも増して一番美味しいシーズンになります。越前がにのシーズンとも重なるので、冬の福井に来たら「カニとガサエビの食べ比べ」が最強の贅沢です!
プロ直伝!ガサエビの美味しい食べ方ベスト3
せっかく新鮮なガサエビを手に入れたら、余すことなく味わっていただきたい! 越前水産おすすめの食べ方をご紹介します。
第1位:やっぱりこれ!「お刺身」
鮮度が良いなら、迷わずお刺身です。 殻を剥いて口に放り込むと、ねっとりと舌に絡みつくような甘さが広がります。醤油はほんの少しでOK。海老本来の甘さを楽しんでください。
第2位:ビールが止まらない「唐揚げ・塩焼き」
ガサエビの殻は少し硬めですが、加熱すると香ばしさが爆発します! 頭ごと唐揚げにしたり、塩を振って焼いたりすると、味噌のコクと殻の香ばしさが相まって、最高のお酒のアテになります。
第3位:旨味が染み出す「お味噌汁」
お刺身で食べた後の「頭」、捨てていませんか?それはもったいない! ガサエビの頭からは、信じられないほど良い出汁が出ます。お味噌汁に入れるだけで、料亭のような深みのある味わいに変身しますよ。
どこで食べられるの?
足が早いため、なかなか県外のスーパーには並ばないガサエビですが、福井に来れば出会えるチャンスは大きいです!
福井駅前で食べるなら『らでん』
福井駅前の飲食店「越前がに 旬のお料理 らでん」では、その日の水揚げ状況によりますが、新鮮なガサエビをお刺身や海鮮丼で提供しています。 「幻」と言われるその甘さを、ぜひ現地で体験してください。
まとめ
見た目は少し地味な「ガサエビ」ですが、その中身は福井の食文化が詰まった実力派です。
9月から6月の漁期の間、特に冬の福井へお越しの際は、赤い甘エビだけでなく、ぜひこの「茶色い実力者」を探してみてください。 その濃厚な甘さに、きっと驚かれるはずです!